世界の中心で愛をさけぶ、その後の物語「指先の花」の感想

あなたは表題の映画を見たことがあるだろうか。
私はまだ印象に残っている。
映画の最後のシーン、オーストラリアのアボリジニの大地で位牌をまく朔太郎(大沢たかお)の隣に一人の女性(柴咲コウ)がいたことを覚えているだろうか?
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本書は200万部を超える大ヒットとなった「世界の中心で、愛を叫ぶ」の続編である。

森山未来君、山田孝之君、長澤まさみさん、綾瀬はるかさん、それぞれが演じて好評を得た朔ちゃんとアキちゃんの物語から17年後の世界を描いている。
「どうしてかなぁ、眠れないの。明日が来るのが怖くて。あたし、もうすぐ死ぬと思う。」
物語は婚約相手のどこかに心の空洞を感じる女性律子が、結婚準備の引越の際、このカセットテープを見つけるところからはじまる。
「人ってのは、みんな心の中に何枚もの写真が焼きついたまま生きていくんだ。心の中にいろんなものを抱えながら生きていく。それらを几帳面にアルバムの中に整理できる人もいれば、そうじゃない者もいる」
この作品は、昔のアルバムを懐かしむように1枚1枚めくっていくような感覚で読める

丁度、色鮮やかに輝いていた写真が、時間とともにくすんでセピア色になっていくように、静かにそしてゆっくりとしみていく。
時空のズレに流されるように、ちょっと感傷的になる物語だ。
個人的にはもう少し描写を深く描いて欲しく、ちょっとだけ物足りなかった。
でも、セカチューに熱中した人には興味深い作品。勿論、見たことのない人でも楽しめる。映画から派生した物語、あたなは運命の糸を感じることができるだろうか