おめでとう 本日公開♪夕香物語

25万件のキリ番ゲッターはおさかなの飛んだ日の夕香さんが見事獲得してくれた。
キリ番おめでとう♪
彼女は前々回のキリ番もとってくれたキリ番の女王?である。

今日はそのキリ番でお約束した、夕香さんのための物語を紹介したい。
最初1話で終わらせる予定が書き出したら、3話になっていた(汗)。しかも、初めて書いた小説風物語である♪
(尚、公開にあたっては本人の承諾を得た。また、この物語はすべてフィクションであり実在する人物、団体とは一切関係がないのでご了承願いたい)

寄りてこそ それかとも見め 黄昏れに ほのぼの見つる花の夕顔
源氏物語第4巻「夕顔」

彼女の書く童話を色に例えると、簾から垣間見れる夕顔の花。とても白く純粋で、大きくまっすぐな感じがする。


夕顔にはふたつの顔がある。
軒先に竹を組んだ棚から咲く夕顔は、夕べに白い大きな花が開き、翌朝にしぼんでしまう。とても美しいがはかない花である。
一方、夏の日差しをいっぱいに浴びて成長する夕顔の実は、瓢箪とも呼ばれ、ちょっと不細工だが実に逞しい。
二つの顔を持つ夕顔、これはそんな夕顔(夕香)の物語である。


少女は、夏の日差しをいっぱいに受け、白い麦藁帽越しからギラギラ照りつける太陽を見つめていた。
淡いピンクの花柄が入ったワンピースが可愛らしく、そのワンピースから出た腕は日に焼けて真っ黒だった。
「どうして、だめなのよー。」
彼女は突然、太陽を睨み付け、そう叫んだ。
その声はとても大きく、し〜んと静まり返った村に響き渡る。まるで、湖面に石を投げ入れ波紋が広がるように、その声はゆっくり、そして大きく、のどかな田園風景に広がっていった。リスたちが驚いて顔をのぞかせている。
しばらくすると少女は道端に転がっている石をぽ〜んと蹴って走り去っていった。
ジリジリジリ♪再び蝉の鳴き声だけが残った。
(第1話完。つづく)