手紙の感想

原作:東野圭吾「手紙」手紙 (文春文庫)
監督:生野慈朗 脚本:安倍照雄、清水友佳子
出演:山田孝之玉山鉄二沢尻エリカ吹石一恵、尾上寛之、吹越満風間杜夫杉浦直樹
劇場:長野シネマグランズ ホームページ
http://www.tegami-movie.jp/

人には忘れられない人生の手紙がある。
連休の中日に、直木賞作家東野圭吾さん原作の「手紙」をみた。
最初に正直に言っておこう。この作品、少々重い。
だが、じんわり心に響くとてもいい作品だと私は思う。
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見始めは少し暗い印象もあったが、徐々に物語に引き込まれていき、杉浦直樹さんが出てきた頃から胸の中が熱くなりっぱなしで、最後には勝手に涙がポロポロ頬を伝わっていた。良作である。
目を閉じれば作品の情景をまだはっきり思い浮かべることができる。
強盗殺人犯の兄を持った弟の物語。
殺人という「罪」を償い、自分を浄化するために必死に手紙を書く兄。そして兄が殺人犯という理由で、世間から冷遇され、漫才師になりたいという夢を持ちながら、希望の見出せずに人生を彷徨う弟。
東野圭吾さんの中身の濃い原作を山田隆之君と玉山鉄二君が熱演している。
脇を固める吹越満さんと杉浦直樹さんもいい。彼らがこの作品をとても印象深いものにさせている。
「あなたに♪会えて♪ ほんとうによかった♪Uh Uh」
小田和正さんの曲のように、作品がゆっくり、そして確実に心にしみていく。
「誰のせいでもない自分が 小さすぎるから」という歌詞のフレーズのように、自分のせいではないのに兄が罪を犯したという事実だけで、社会の中で冷遇される、武島直貴(山田隆之)君の心の叫びが私の胸まで届いた。
普通の人から見れば、彼の言動はナーバスすぎて、卑屈になりすぎと思うかもしれないが、大小の差はあれ、人生には差別はあり、人はそれほど強くない。
私のように繊細な人?には、とてもみて欲しい作品である。
ちょっぴり考えさせられ、そして泣いて、ちょっぴり笑える物語
ある意味、原作より映画の方が良かったと私は思う。


この秋、あなたは泣ける漫才を見に映画館に足を運んでみませんか?