長崎県 異国情緒漂うばってん長崎人 中編

昨日に引き続き落語から。今まで方言で書いてきたが、他県の人には今ひとつ面白さが伝わらないと思う。そこで、今日から方言と標準語両方でのせてみたいと思う。

標準語バージョン

今日は旦さんの誕生日。旦さんと喜ぃさんは、いつも旦さんの家の料理をからかっている自称食通の竹さんにいっぱい食わせようと、腐った豆腐を加工して「ちりとてん」という食べ物を作った。そうとも知らない竹さん、頭のてっぺんから声出して……
「お邪魔します。聞きましたよ。お誕生日、もっと早くいってくれたらお土産持ってきたのに。」
「そんなことはいいからまずはお酒でも。」
「何? お酒? 私、お酒も食べもんも口が肥えているから、しょうもないものだったら頂きませんよ。」

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「何、白菊? 名前だけですね。甘い酒で今時雛祭りに子供でも飲みないですよ……、何? 呑むか? 頂きますけど。」
「頂戴します(クゥクゥ、クゥ、クゥ〜〜〜)……甘っまぁ〜! 美味しく無い! もう一杯い。」
「あなた美味しくなかった飲まなくていいですよ。相変わらずですね。あなたの口には合わないかもしれないけど、鯛のお刺し身、茶碗蒸ぐらいしかないんだけど。」
「旦さん。私を呼ぶのだったら「こんなものがよく手に入りましたなぁ」とビックリするような、いわゆる珍味を用意してくれないと。」
「あなた、今なんて。珍味。ほう、いきなり珍味からいきますか。それなら一つあるのですけど。」
「どこの珍味ですか」。
「長崎の珍味。名産「ちりとてちん」あなた知ってますか。」
「何です。」
「長崎名産ち・り・と・て・ん」
「知ってますよ。長崎行ってきたって言ったでしょ。長崎では朝昼晩とちりとてんでしたわ。」
「ほぉ、それはどうやって食べたらいいものなんですか?」
「どうやって? とりあえず、開けなさい……く、臭っさ〜〜〜〜〜っ……とても臭い、あー、たまらない。」
「たまらないって、あなた知っているのでしょ。」
「たまらないくらい懐かしいなぁ〜。」
「で、どうやって食べるのです?」
「これは腐っているのではありませんよ。醗酵させているのです。鮒鮨と一緒です。体にいいのです。長崎の人はいきなり食べずに目で楽しみます。こりゃまた、目がピリピリくる。その後鼻にツンとくるでしょ。エ、エ、エックション!!」
「で、どうするのです」
「この鼻にツンときたら一番の食べ頃。こうやって一気に食べるのです。いただきます。……ん、ん、オェ〜〜〜〜ッ……おいしい
「本当ですか。あなた涙がにじんでますよ。」
「涙が出るほど美味しいのです」
「私ら食べたことないのでわからないけれど「ちりとてちん」一体どんな味がするのです?」
「早い話が、オェ〜〜〜ッ」
「早い話が?」
「豆腐の腐ったような味なんです。オェ〜〜〜〜ッ!!」

長崎弁バージョン

今日は旦さんの誕生日。旦さんと喜ぃさんは、いつっちゃ旦さんんがたの料理ばからかっとっ自称食通の竹さんにいっぱい食わせようて、腐った豆腐ば加工して「ちりとてん」てゆう食べ物ば作ったばい。そうても知らん竹さん、頭のてっぺんから声出して……
「お邪魔すっけん。聞きたとばいよ。お誕生日、まっと早くいってくれたらお土産持ってきたとに。」
「そがんことはよかからまずはお酒でん。」
「何? お酒? オイ、お酒も食べもんも口が肥えとっけん、しょうもないもんやったら頂かんと。」
「何、白菊? 名前だけたいね。甘か酒で今時雛祭りに子供でん飲みなかとよ……、何? 呑むか? 頂きますけんばってん。」
「さあ、一杯どうぞ」
「頂戴すっけん(クゥクゥ、クゥ、クゥ〜〜〜)……甘っまぁ〜! 美味しく無か! もう一杯。」
「ワイ美味しうなかった飲まんでよかばいってことばい。相変わらずたいね。ワイの口には合わんかもしれんばってん、鯛のお刺し身、茶碗蒸ぐらいしかなかんてばってん。」
「旦さん。オイば呼ぶのやったら「こがんもとがよく手に入ったなぁ」とビックリすっような、なんてゆうかだいっちゃゆうてこん珍味ば用意してくれんと。」
「ワイ、今なんて。珍味。ほう、いきなり珍味からいきませば。そいなら一つあっとばってん。」
「どこん珍味ね」。
「長崎ん珍味。名産「ちりとてちん」ワイ知っとっとね。」
「何ばいってことばい。」
「長崎名産ち・り・と・て・ん」
「知っとっとよ。長崎行ってきたって言ったでしょ。長崎では朝昼晩とちりとてんやったわ。」
「ほぉ、そいはどうして食べたらよかもんやろうか?」
「どうして? とりあえず、開けなさい……く、臭っさ〜〜〜〜〜っ……死ぬごと臭い、あー、たまらん。」
「たまらんって、ワイ知っとっけんでしょ。」
「たまらのごたっとんくらよか懐かしかなぁ〜。」
「で、どうやっとこさっとぶっとね?」
「こいは腐っとっけんではなかよ。醗酵させとっけと。鮒鮨と一緒ばいってことばい。体によかとばいってことばい。長崎ん人はいきなり食べんで目で楽しむっけん。こりゃまた、目がピリピリくるとばいってことばい。そん後鼻にツンとくるでしょ。エ、エ、エックション!!」
「で、どがんすっとばい」
「こん鼻にツンときたら一番の食べ頃。こうして一気にたぶっとたいってことばい。もらうばいってことばい。……ん、ん、オェ〜〜〜〜ッ……うまか 。」
「本当ね。ワイ涙がにじんどおけんよ。」
「涙がずっほど美味しいと」
「オイら食べたことなかけんでわからんばってん「ちりとてちん」一体どがん味がすっとたい?」
「早か話が、オェ〜〜〜ッ」
「早か話が?」
「豆腐の腐ったような味たいってことばい。オェ〜〜〜〜ッ!!」
(つづく)
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「旦さん、お邪魔すっけん(お邪魔します)」
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