お伊勢参りと伊賀の里の三重県 後編

sakurasaku20052006-04-09

前回のあらすじ

三重県といえば何と言っても伊勢神宮が思い浮かぶ。
伊勢神宮には日本の神様の中で最高神の地位を占める天照大神がまつられており、全国から多数の参拝客が集まる。
もともと和歌山県奈良県にまたがる紀伊山地は、深い森林に覆われ、神話の時代から神々今日のさくちゃんは何位だ〜人気blogランキング
が鎮座する地域として敬われていた。「仏教」の世界では阿弥陀仏観音菩薩の「浄土」に見立て山岳修行の場としたことから、「吉野・大峯」「熊野三山」「高野山」の三つの「山岳霊場」とそこに至る参詣道が生まれ、全国から人々の訪れ、日本の宗教・文化の発展と交流点となった。(世界遺産熊野古道HP参照)
そのため、街道や宿場町は黙っていても商売が繁盛した。風光明媚で気候も温暖、海の幸も豊富で食べ物もおいしい。こんな恵まれた環境から、その県民性は温和でガツガツせず、大らか、おとなしい人が多いという。
神様のそばに暮らすだけあり正直を最高の美徳とする気風もある。
その反面、「覇気がない」「積極性に乏しい」「個性がない」など「健全なる凡人」ともいわれている。
だが、個性がないと思われるのは周りに大阪人や名古屋人という個性のありすぎる人たちがいるからであり、長野県人から見れば十分個性的である。
こんな三重県は実は江戸時代にかの有名な越後屋(=三井家、現三越)を生んだ県であり伊勢商人といわれるくらい商才にも長けている。
越後屋が掛売りでなく現金ではじめから安く売る「現金掛値なし」商法で大ヒットしたように基本に忠実、真正直な商法が彼らの特徴でもある。
親身になって世話していくうちに自然に客の信頼を集めていく彼らの商法には見習うところがある。
また、ご存知の通り伊賀地方は伊賀忍者の故郷である。
「気をみて虚をつけ。恐れるな。侮るな。考えすぎるな。」
伊賀の教えは現代にも通用する素晴らしさを持っている。
伊賀忍者を扱った作品には司馬遼太郎原作・中井貴一上川隆也主演の「梟の城」、藤子不二夫原作・香取慎吾主演の「忍者ハットリ君」、小山ゆう原作・上戸彩主演の「あずみ」、伊賀の影丸などがある。
伊賀地区だけは気候が厳しいこともあり、根性がある人が多いという。
また、青海苔(ヒトエグサ)の産地で、生産量1位。全国の6割のシェアを持つという。
松阪牛、真珠、伊勢エビ、的矢ガキ、アワビ、南紀みかん、伊勢茶、伊勢ひじき、檜など三重県ブランドを次々に生み出した県でもある。
さらに県庁所在地の津市は世界で一番短い市名(Z)で有名だ。TSUではなくZ。何もしないで文字だけ変えるだけで世界にアピールするなんて、頭のいい人たちだ。
さすがはてなを作った近藤淳也社長の故郷だけのことはある。

こんな三重県人と付き合うには真っ正直な人が多いので嘘はつかない方がいい。
彼らに嘘をついたり、欺いたりすると、「あこぎ」*1ことをされるので気をつけた方がいい。
もともとは人当たりのいい温厚な性格であっけらかんとした楽天性を持つ人たちである。誠実に付き合ってさえいれば、あなたのことを親身になって考えてくれるだろう。
但し彼らとアポイントメントを取るときは気をつけた方がいい。
彼らは3日後を「ささって」といい、「しあさって」は4日後を指す。しあさっては3日後ではないから注意が必要だ。
さらに5日後を「ごあさって」という輩もいるという。この理論でいけば6日後は「ろあさって」とでも言うのだろうか。
東海の名古屋の文化と近畿の関西の文化を合わせ持つ三重県人。
彼らが「ケッタ」といえば自転車のことだし、「かんぴんたん」と言ったら、干からびた物のことである。伊勢弁は名古屋弁と関西弁が入り混じるから注意が必要だ。
「伊勢は中(津)で持つ、中は伊勢(津)で持つ」
美しい自然と景観、歴史的な遺産や街並みの伊勢の国三重県
何事も中くらいのほどほどがいいという精神と「おかげさまスピリッツ」を持つ三重県人。こんな三重県人とともに同じ時間を過ごせば、あなたもきっと寛大で慈悲深い精神が身につき、神のご加護を受けることができるだろう。

三重の県花ハナショウブ/県木:神宮スギ/県鳥:シロチドリ/県獣:カモシカ/県魚:伊勢エビ/県民歌:三重県民歌

*1:「あこぎ」の語源は三重県津市の阿漕ヶ浦(あこぎがうら)に由来する。そこは禁漁区だったにもかかわらず、ある漁夫(阿漕の平次)が繰り返し密漁をして捕まった伝説から強欲であくどいことをあこぎというようになった