サラリーマンが危ない!下流社会とは 最終編

前回までのあらすじ

  • 下流社会がベストセラーになったように日本社会は格差が進んでいる。国家の品格 (新潮新書)
  • 企業の年功序列型賃金や終身雇用制度が崩壊し、今やサラリーマンは自分の身は自分で守るしかない。
  • そうした中「どうせやっても無駄だから諦めて何もしない」という下流志向の人が増えてきている。

前編http://d.hatena.ne.jp/sakurasaku2005/20060318
中篇http://d.hatena.ne.jp/sakurasaku2005/20060322


今、格差がもたらす時代の変化を、実感として認識する人は多いはずだ。
所得が低く、親と同居するしかない若者は、なかなか結婚できない。
また夫の賃金への不安から結婚してからも働きつづける女性も増えている。
専業主婦がどんどん減り、今や高所得男性の「奥様」くらいだという。*1
さらに配偶者控除の廃止など政府が追い討ちをかけるから、ますます専業主婦には肩身の狭い世の中になってきた。
結婚しない若い世代の増えていることと専業主婦が減っていくことは子供をたくさん生んで育てる環境がどんどん狭まっていくことを意味する。
このことが少子化問題につながり、若年層の減少は、医療や年金など私たちの老後を支える制度まで今のままでは持たなくなる等の社会のひずみを生んでいる。
小泉総理は格差の拡大は小泉改革とは関係ないと言っているが、経済的弱者に冷たい社会になってきたのは事実である。
そうした中、私たちサラリーマンはどう生きればいいのか。
115万部以上売れている国家の品格という本の中で藤原正彦さんは

日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。
国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。
いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。

といっている。なるほどいいことを言う。
藤原正彦さんとは数学者で小川洋子さんの「博士の愛した数式」の博士(映画では寺尾聡)のモデルになった人である。
武士道精神とは別に死ぬことではない。
「義」と「仁」の精神である。
すなわち正々堂々と、卑怯なことはせず、正義のために敢為堅忍するということである。そして弱いものを助ける、思いやりといたわりの心を持つということである。さらに、「礼」、「智」、「信」。礼儀を重んじ、智恵を持って、信用される人間になる。これが武士道精神、サムライスピリッツである。
「金儲けのためには手段を選ばぬ」「金さえあれば何でもできる」「法に触れなければ何をしてもいい」といった考え方は決して長続きしない。
お金儲けのことよりも自分の仕事に誇りを持つこと。
今サラリーマンに欠けているのはそこだと思う。
もっともそうした精神を持ったからといって誰からも評価されるわけではない。むしろ敬遠される風潮にある。だが、じっと辛抱していればいつか花開くと私は信じている。
子供は親の背中を見て育つ。
本当に重要なことは子どもが幼いうちに親は見せておかなければならない。
だからサラリーマンのお父さん達もどんなことがあっても自分の仕事に誇りを持って欲しいと思うのである。
お金で買えないものがある。経済成長より武士道精神を
それが私の見つけた答えである。
今日のさくちゃんは何位だ〜人気blogランキング

*1:これは東京をベースにした意味で、我家を含め、私の周りで専業主婦やっている人はみな貧しい