白夜行 美しの亡霊の決意の感想

白夜行を見た。
亮司(山田孝之)は雪穂(綾瀬はるか)をかばうために父親を殺し、雪穂はその罪を隠すために母親を殺した。罪に罪をかさねた人生。
すべてのカードが裏返り、新しい物語ははじめる。
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「雪穂の幸せは俺の免罪符だから。」
雪穂が幸せのなるために高宮(塩谷瞬)との縁談をうまくいかせようとする亮司。
おだやかな表情でそういう亮司の顔は憂いを帯びていて逆に切なくみえる。
また財産目当、亮司を日のあたる世界に導くために結婚を決意した雪穂。
雪穂の顔は表情がなくまるで能面のようで怖い。
彼らに「幸せ」という2文字はないのだろうか。
三沢千都留が泊まる予定のホテルで、篠原(柏原崇)と高宮(塩谷瞬)と笹垣(武田鉄也)が出会うシーンは緊迫感とスピィード感があった。
三沢千都留、彼女が今後の鍵を握りそうだ。
(でもこの役者さん名前がわからない。佐藤なんとかさんだっけ)
結局、雪穂は高宮と結婚した。
「私は幽霊みたいなもんだから。あなたの幸せがあたしの幸せだと思ってる」
見知らぬ女性の言葉と涙が亮司の気持ちを物語っている。
レッドバトラーの幽霊。スカーレットオハラとレッドバトラー。
「風とともに去りぬ」のレッドバトラーのように亮司も最後の最後には雪穂に捨てられてしまうのだろうか。
自分という存在が誰からも認められなく無になったとき、亮司はどう思うだろう。
「こんなものにために高宮と結婚したの」
優しい口調でいる亮司の目が憂いでいっぱいだ。
彼はこんなことのために雪穂に尽くしてきたんじゃない。
「この結婚は売春なんだよ、私にとって。」
「亮の幸せが私にとっても免罪符なんだよ。」
「もとから私は何も持っていない。亮以外、だから幽霊はやめて」
いま、ここ、亮司がいて雪穂がいる。
今日の白夜行は一瞬の幸せとわかっていながらそれが永遠に続くような幻想を抱かせるそんな幕切れだった。