西遊記 第6巻森の国の感想

はじめて人が死んでしまった。
生きた森、人を喰らう森の中で。
修周役の成宮寛貴が愛する冥蘭(釈由美子)の軍が放った矢に刺さり、悟空(香取慎吾)の胸の中で最後を遂げた。
「わかってやってくれよ。やり方は間違っていたけど、あんたの願いをいのちをかけてかなえようとしたんだ」
猿に豚に河童、それに鶏を加えた新しい西遊記がはじまると思っていただけに残念だ。このドラマは人が死なない(妖怪も殺されず老子大倉孝二)につかまるだけだ)のが私の好きだった理由なのに。
「天国にいきてえか、地獄へいきてえか」いつもの決め台詞もなかった。
一体、坂元裕二はこのドラマをどうしたいのだろう。
信濃毎日新聞に記載されたテレビの泉では「これは果たしてこれはドラマか」と手厳しい評価であった。記事ではさらに香取慎吾君は声が大きいだけでやかましい。あれは孫悟空でなく元気いっぱいのSMAP香取慎吾君にすぎない。沙悟浄内村光良は自分がアクションをこなすニヒルな芸人と自覚しているだけで、伊藤敦史君にいたっては電車男のままであるとあった。
確かに一理ある。
三蔵法師深津絵里が馬にもまたがらず仲間といっている姿は、師弟というより、それぞれの個性を尊重するゆとり教育のようだと。
鋭い指摘である。でも何も考えなくて見れるのがこの作品の良さだと私は思う。