冬の大三角形とオリオン座の伝説

sakurasaku20052005-12-27

昨夜は部の忘年会。バスから降りて、寒風にコートの襟を立てながら南東の空を見上げると天の川を挟んで冬のにぎやかな星座が私を迎えてくれた。
南東の空の中程に、斜め傾いて3つの星が見える。
この斜めに傾いた3つの星と2つの一等星(左肩に赤く輝いているのがペテルギウスと右下に青く輝いているのがリゲル)そして淡く光輝く3つの散光星からなっているのが冬を代表する星座オリオン座だ。
このオリオン座のペテルギウスと南東の空低くにギラギラと白く輝く星(おおいぬ座シリウス)、そのシリウスの左側に少し落ち着いた輝きのある星(こいぬ座プロキオン)を結んだ三角形がかの有名な冬の大三角形である。
冬の大三角形を見ながら、ギリシャ神話で読んだオリオン座の伝説を思い出した。
オリオンとは海の神ポセイドンとミノス王の娘エウリュアレの子で、狩の腕に優れ、かなりの美男子で古代ギリシャ女性の憧れの的であった。
彼はクレタ島でオリンポス12神の一人アポロンの妹、月の女神「アルテミス」に出会い、その美しさに一瞬にして恋に落ちる。
彼女は弓の名手でもあった。
日に日に仲睦まじくなる二人を見て、アポロンはなんとかこの2人を引き裂こうとある画策をする。
ある日、オリオンが遠い海の沖で泳いでいる姿を見つけたアポロンは、海上に突き出しているオリオンの頭に金色の光を吹きつけた。
そして、アポロンはアルテミスのもとに訪れ、こう言う。
「あの遠い海の向こうに金色の光が見える。いかにお前が弓の名手でも、あれほど遠くてはお前の腕をもったとしても、一矢で射止めることはできないだろう。」
 この挑発的な言葉にのせられたアルテミスは
「お兄様、あのくらい私の腕をもってすればたいしたことはないわ。お兄様の前で、見事、射止めてご覧にいれましょう。」
といって見事、一矢で射抜いてしまう。
やがてその獲物が波打ち際に打ち上げられる。
その獲物こそが愛するオリオンと知ったアルテミスは、その驚きと悲しみにより夜空を照らすことすら忘れてしまうほど悲しみにくれる。
アルテミスに同情した全能の神ゼウスがオリオンを天にあげ星座にした。この星座がオリオン座である。
少しロマンチックな話、月は1ヶ月に一度オリオン座の近くを通る。これはオリオンを思うアルテミスが自分の力でオリオンに会いにいこうとするからだと伝説ではいわれている。