1リットルの涙(最終回)の感想

花びらが1枚1枚開いていく。
昨日がちゃんと今日につながっていくことがわかってうれしかった。

1リットルの涙は「脊髄小脳変性症」だった木藤亜矢さんが14歳〜21歳まで書き留めた日記1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)を元にした実話である。
亜矢役の沢尻エリカ、父陣内孝則、母薬師丸ひろ子らが熱演して話題を呼び、昨日最終回を迎えた。同級生で恋人役の麻生遥斗(「news」錦戸亮)君だけは母が娘にこんな恋が出来たらと後から書き加えられたものらしい。
森下圭子さん脚本の世界の中心で愛を叫ぶ以来の悲しいドラマであった。

ブラウン管を見ていた多くの人が涙を流したに違いない。番組の視聴率も当初13%台であったのが第9話15.5%第10和16.6%と徐々に上がってきた。
病気はどうして私を選んだのだろう。
本当は誰かにすがりつきたくてたまらないのです。
こうした言葉は本当に病気になった人しかわからない魂の叫びのように聞こえた。
病名は全然違うが、私も病気になったときこんなことを思っていた。
しかし、「あの日に帰りたいといわない、今の自分を見つめて生きていきます」
病気を受け入れ、ひたむきに生きる亜矢の姿には涙を誘われると同時に人間の生きる力は素晴らしいなと感じた。
「みんなで亜矢ねぇに優しくしようよ」
彼女の病気を受け止め、心の支えとなり優しく包み込む母をはじめ兄弟の優しさは家族のありがたさを改めて感じた。
心無い視線に傷つくことはあるけれど同じくらい優しい視線がある。
粉雪レミオロメンの粉雪という曲はこのドラマにあっていて妙に切なくなる。
最後に母潮香(薬師丸ひろこ)が言った亜矢への言葉が胸に残った。
なぜあなたが病気になってあんなにも涙したかはわからない。
でもね亜矢、たくさんの人が気づいてくれたのだよ。
普通に過ごす毎日がうれしくてあったかいものだってことを


ALWAYS 三丁目の夕日でも思ったが薬師丸ひろ子はお母さん役が上手な良い味の出る役者になったと思う。医師役の藤木直人君も良かった。
脚本家の女性3人江頭美智留大島里美横田理恵も良い作品を作ったと思う。