四十雀と忠臣蔵

コツコツコツ
白い薄化粧したアスファルトの上を歩く。後ろにはくっきり足跡が残っていく。
公園の桜の木には四十雀が何羽もとまっている。
おそらく山の寒さから逃れてきたのだろう。
黒い首を傾げ、何かを考えているようだ。寒さのせいか白い頬が少し赤らんで見える。ツーツー。一斉に鳴き出した。何か緊迫感がある。
中央の鳴いている鳥と目があった。
「各々がた討ち入りでござる」
まるで大石内蔵助が47の志士をつれ出陣するかのように勇ましい。
12月14日晴れ。今日は赤穂浪士が吉良邸討入の日だ。