文章塾の最終課題原稿できた。

文章塾の最終課題原稿ができた。
今回もエッセイ。テーマは「私を変えた出来事」

いままで文章の変化も一緒に感じて貰った方がおもしろいと思って初稿から載せていたが、今回は第3稿から載せる。
ここから先はね。長くなるから興味のある人だけ読んでね。

悲しい本 (あかね・新えほんシリーズ)

悲しい本 (あかね・新えほんシリーズ)

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さて、ここまで読み進んでくれた方、ありがとう。

日本人は「ことだま」っていうよね。僕は、言葉には力があると思っている。その分、何気なくいった一言で、誤解されたり、人を傷つけることもある。
言葉って難しいよね。そんな体験をすると、ときに書くのを辞めたくなることもあるけれど、それでも僕は書き続ける。だって、書くのが好きだから。


だから、このエッセイ。読んで、どう感じたか感想を聞かせてくれると、とても嬉しい(>_<)

エッセイテーマ「私を変えた出来事」
はじめて会った時、彼は絵本を読んでいた。
マイケル・ローゼンの『悲しい本』。大切な人をなくした一人の男の物語。耳から入る心地よいアルトの声に胸がぎゅっと締めつけられた。気がつくと涙がでていた。彼の名は絵本ソムリエ。その時々の気持ちや感情に合わせて大人向けの絵本を読む。絵本は子供が読むものと思っていた私にとって、この体験は衝撃だった。


 私はカギっ子だった。父はほとんど家におらず、母はそんな父にいつも文句をいっていた。私は黙って聞いていた。本当は父の悪口を聞くのは嫌だった。自分が否定されているようで傷ついた。しかし、母には言えなかった。自分の感情を抑えて、いい子でいることが母に愛される自分の役目と思っていたから。あの頃、感情を抑えていたせいで、母とは距離を置くようになった。『悲しい本』を聞いて、主人公の悲しさを一緒に味わったら、子供の頃、我慢していた自分の感情にも氣づいた。母だけが悪いわけではない。お互いが間違った愛情表現をしていたのかもしれない。そう思うと、母を少し許せるようになった。


 絵本には不思議な力がある。絵本には正解がない。文字も少ない。だから行間を読む。絵を見る。音を聞く。そうすることで、大人だからこそ理解できる感覚がある。たとえば『おひさまあはは』『すてきな三にんぐみ』『いつでも会える』2歳から5歳向けの絵本に、笑顔になったり、涙を浮かべたり、読めば読むほど感情が溢れてくる。そもそも絵本は子供たちに素敵な大人になってほしいという願いが込められている。だから大人が読んでも、愛情や優しさも感じることができる。何度も聞くことで、大人も、子供と同じように楽しい体験ができる。


 そのうち、この体験を多くの人に伝えたいと思うようになった。そして、いま、私は大人のために絵本を読んでいる。