作り手からみた絵本のお話 井上さん講演録


では、約束通り、井上みほ子さんの講演会の話を書こう。
井上さんは、現在、「ちびくろさんぼ」などを出されてる瑞雲舎の取締役。編集や営業の仕事も経験され、ボランティアの読み聞かせもやっている。
すなわち、読み手であり、伝えて手であり、作り手でもあるんだ。
だから、広い視点でおもしろい話が聞けたよ。自ら読み聞かせもやってくれた。特に遠野弁での「ふるやのもり」はサイコーだった。

ふるやのもり (読み聞かせ絵本シリーズ)

ふるやのもり (読み聞かせ絵本シリーズ)

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いまは本が売れない時代。絵本出版社の経営はどこも厳しい中
「作家を育てるためには、本が売れないとダメなのよ。私たちはね。だから歯を食いしばってもいい作品を売っていきたいと思っているの」その言葉に絵本にかける情熱と覚悟を感じた。だから、瑞雲舎の本はほとんどすべて読んだけど、どれも熱い想いが込めるいい本ばかりだ。


僕が印象に残ったのは、ある女性が立ち上がり、質問したときのこと。
「私いつか作家になりたいと思っています。どんなことをしていけばいいですか」井上さんは、にっこり微笑み、こう答えた
「あなたは作品をいま、書いている?それともいつか書こうと思っている?」
「本を書きたいと思っている人はほんと多いわ。そのために、自分の作品を書いている人もいる。ただね。その作品を書き終える人は少ないわ。だからね。大事なのは、1冊きちんと書き終えること。そうした作品をたくさん書くこと。そして、書き続けることよ。」


凄く愛情ある言葉だった。
僕にはぐさっと響いたよ。だってさ。いつか作家になりたいといいながら、僕は1冊もきちんと書いてないから。文章の基礎を学ぶためにはいった文章塾でさえ満足に卒業できるかわから僕にとっては響く言葉だった・・。


だけど、おかげで、気づいたよ。
書くことの素晴らしさ。大変さ。そしてプロになるには、もっともっと覚悟がいることも。
僕は書くのが好きだから。書き続けることはできるよ。
できないことに目を向けたらキリがない。いま、できることをするしかないと。とりあえず文章塾の最終稿初稿を書いたよ。今回はね。初稿はおみせしないんだ。第2原稿から公開するね・・
今日も最後まで読んでくれてありがとう。