リラックマからのメッセージ「仁義とコンピュータ」

「ばかもん、そんなもの、そっちで何とかしろ。」
「課長、本社で元データをくれなくて、どうやって支社で何とかできるのですか。何とかできる元データをください。」
「アホ。それが渡せないからおまえに何とかしろって頼んでいるんだろ。」
「いくら私でも無理ですよ。ないものから作り出すなんて。システム屋はマジシャンじゃないんだから。」
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「そんなもん言われんでも俺が一番よくわかっとるわ。」
「じゃあ、どうするんですか。稼動まで時間がありませんよ。」
「だから、あれだ。あれ・・・」
「あれって・・・」
「最後はなあ」
「最後は・・・」
「最後は気合で何とかしろ、気合で・・(汗)」
とても30年近く技術畑でやってきた本社のシステム課長とは思えないお言葉。
私は愕然とした。
3月から稼動する本社の在庫管理システムには販売店コードがない(汗)
支社はまとめて1本で管理される。合併されたとはいえ、うちは元々別会社だ。そんな大事な情報を本社はテスト公開する先週まで教えてくれなかった。おかげで大混乱のさなかにいる。
というか本社の課長もメーカーから聞くまでよくわかっていなかったようだ。
まずい。他人事のようにいってしまった。このままでは今度は私のクビが危ない(汗)
「課長、私はあなたのことが好きです。でも、このままではあなたは間違いなくキラになりますよ。キラ。」
「なんだ?!キラッて。」
「吉良ですよ。吉良上野介。」
「オレは赤穂浪士に斬られるのか。」
「そうです。ただでさえ、T副部長の件でこっちの若い連中は、本社にかっかしているのです。今度、我々を切り捨てることがあったら、私が大石蔵之助になってあだ討ちに行きますよ。」
「まあ、そういうな。作。」
「明朝、オレが上層部に直々に説明しに行く。それまでに何かいい手立てがないか考えよう。時間はまだ24時間ある。」
ということでそれまでに何かいい手立てを考えなければいけない。
「think!think!think!」ダイハードのジョン・マクレーンブルース・ウィルス)のように頭の中で叫んだ。だめだ。浮かばない。
「あくせくしたってはじめりませんぜ〜」
頭の中のリラックマが答える。
私は彼のことを本当に好きだ。ニヒルだが、仁義と情を持っている。だがコンピュータは仁義と情まで組み込んではくれない。

昨日は過去のもの。明日は謎に包まれた未知のもの。
今日は天からの贈りもの。
だから、現在のことを英語でpresentというそうだ。
でも、なぜか今日の天使はしっぽが黒い。

もつれた糸は放っておきましょう。いつかはほどけますよ。
リラックマ